2012.8.20
職場でメンタル不全を発症した場合の相談相手
職場のストレスでメンタル不全を発症した場合、メンタルクリニックの薬物療法や精神療法で症状を緩和させることも重要ですが、根本的な症状改善と再発予防を行うためには「職場環境調整」を行うことが必要です。具体的には自分を労務管理している所属長にまず相談しストレスの原因とメンタル不全の状況(通院有無も含む)を伝えます。(所属長との対人ストレスが発症原因で所属長に直接相談できない場合はさらに上の上長に相談します)産業保健スタッフ(産業医、保健師、カウンセラー)が配備されている事業場に勤務している場合は所属長から人事の担当者を経由して産業保健スタッフと面談し問題解決を具体的に検討していきます。本社も含めて産業保健スタッフの配備がない事業場に勤務している場合は、事業場が社外のEAP機関(外部相談機関)と契約していれば、これを活用し問題を相談しますが、外部EAP契約がない場合は所属長やその上長との相談のみになります。相談する上で大切なことは個人情報を保護してもらい相談者本人に不利益がないように配慮してもらうことです。相談の上で精神科専門医の診断の必要性がある、または何らかの精神症状(不眠、不安、うつ等)があり、症状緩和の治療を希望する場合はメンタルクリニックに受診を勧められる場合もあるでしょう。いずれにしてもひとりで抱え込まずにしかるべき相談相手にきちんと相談して今後の問題解決策を練ることが改善に繋がります。
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2012.4.17
テストバッテリーを組む
精神科外来診療では初診時に問診による病歴、過去の精神科治療歴、身体疾患や嗜好品の既往歴、家族歴、幼少期からの生活歴や家族関係等の情報を聴取し、国際的な診断基準を基にして主治医の過去の経験や知識を総動員して身体疾患を含めた除外診断を的確に行うことで精神科診断が確定するわけですが、診断名に終始せずご本人の性格傾向、症状や疾患の特徴や重症度をさらに明確化してひとりひとりの治療方針に生かし再発予防対策を行う目的で各種心理検査を行います。その方の症状や病歴に合わせて必要な検査を組み合わせて実施することを「テストバッテリーを組む」と言います。当院では問診に加えてこれを実施しひとりひとりの診断や治療の精度を高めるように常に工夫して努力しています。
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2012.4.17
さいたま市役所本庁舎産業医を拝命しました
埼玉県職員健康相談医(埼玉県嘱託産業医)と埼玉県職員健康審査会委員はかつてから埼玉県より拝命して埼玉県職員のメンタル不全の相談業務やリハビリ出勤判定や休職復職判定の業務を行って参りましたが、このたびさいたま市役所本庁舎産業医をさいたま市長より委嘱されました。今後は埼玉県職員のメンタルヘルス業務に加えてさいたま市職員の健康増進やメンタルヘルス業務を遂行することとなり、公務員の心身健康増進から間接的に地域に在住される埼玉県民やさいたま市民の生活の安定と向上に貢献できればと思います。私自身も産業医の知識や経験をさらに蓄積し当院に受診されるメンタル不全の就労者の方々の診断治療や復職支援のレベルアップ、職場の人事労務担当者や産業医や産業保健スタッフの皆様との連携の充実が得られるように自己研鑽し日々精進していく所存です。
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2011.10.10
開設から3年が経過しました
さいたま市や埼玉県に在住し埼玉県内や東京都内に勤務している就労者の方々のメンタル不全の診断・治療・生活就労支援・休職判定・復職支援・復職後の再発予防に従事し3年間が経過し、今までに数多くのメンタル不全の就労者の方々の治療奏功例や復職成功例や再発予防例があり、個々の患者さんの生活や就労に貢献できているだけではなく埼玉県を中心とした地域の産業メンタルヘルスにも貢献できており開設の趣旨に合ったクリニックになっていると思います。今後も就労に関わるメンタル不全(うつ状態、不安状態、不眠、身体不定愁訴等)を中心にパニック障害や社会不安障害や当院で対応可能な範囲の精神科関連疾患の治療に従事していく所存ですので今後ともどうかよろしくお願いいたします。

2011.7.21
次期医療法改正で都道府県の医療計画に精神疾患が追加
厚生労働省の社会保障審議会医療部会において従来までの「がん」「脳卒中」「急性心筋梗塞」「糖尿病」の4疾病に加えて「精神疾患」を今後の都道府県単位の医療計画に盛り込む発表をしました。これにより次期医療法改正において行政機関レベルの「精神疾患に対する医療計画」が策定されるため、地域レベルでの精神疾患に対する医療機能目標が提示されて、精神科医療の機能分化や連携体制や充実発展が期待されます。今後具体的な努力目標が検討協議されていくと思いますが、特に地域におけるうつ病対策が実施された場合、結果的に就労者のうつ病の予防や治療推進や連携体制の確立が進み、就労者のうつ病罹患者や休職者が減少していくのでこの点に期待したいと思います。

2011.7.15
夏バテが慢性疲労症候群を助長
夏本番という暑い気候となり部屋の移動や外出の温度変化で身体疲労が出やすい季節になりました。このような時期に睡眠不足や飲食不足や不規則な生活が続けば次第に精神疲労に繋がり気分の憂鬱感や不安感やイライラ感や身体不定愁訴(頭痛、めまい、耳鳴り、動悸、息苦しさ、胃痛、吐気、下痢、便秘、生理痛等)が出現悪化し精神科的な専門治療を必要とする状態に陥ることがあります。反復性うつ病性障害(反復するうつ病)や双極性障害(躁うつ病)では規則正しい生活リズムを日々厳守し十分な睡眠時間を確保し日常生活や就労場面において過活動を控えていくことで症状の安定化や再燃防止につながるという「生活リズム療法」は精神医学的に精神科専門医の間では広く知られているところです。就労者であれば職場での勤務負担、主婦であれば家事育児負担、大学生や専門学校生であれば勉強やバイトや就活の負担が慢性的にあり、これに夏場の気候負担からの身体疲労が加わるので、この季節は慢性疲労症候群のような状態に陥りやすいと言えるでしょう。発症原因の有無を問わず生活や就労に支障が出るような心身症状が慢性化した場合は精神科専門医療機関での治療を自己検討する必要があるでしょう。

2011.6.19
休職から復職までの流れ
就労者がうつ状態や不安状態や不眠や身体不定愁訴で勤務の限界に達しメンタルクリニックを受診し精神科専門医の診断の結果、医学的に休養と治療が必要であると判断された場合、休職診断書が発行されて休職を開始します。休職中は生活が怠惰になりやすく心身の体力も落ちるため、休職中は昼寝を避けて消灯時間と起床時間と食事時間を一定にして規則正しい生活リズムで毎日を過ごす必要があります。定期的な外来通院加療で薬物療法と精神療法と生活指導を継続する必要はありますが、うつ状態や不眠状態が軽減したら徐々に職場の上司や人事総務や産業医と電話やメールや面談で連絡を取り職場環境調整や対人関係調整を行う必要があります。抑うつ気分の回復→生活意欲の回復→思考集中力の回復という順にうつ状態が徐々に緩和されてくるので無理のないペースで読書やパソコンなどの思考集中力の訓練や精神的体力確保の訓練を行いながら毎日の散歩や軽運動で身体的体力の維持増進も併行して行っていきます。復職の焦りや職場への自責感ではなく自分のみで考えて復職意欲が高まってきたら心身体力の回復具合や対人接触疲労の有無を確認しながら復職許可を行い、職場の上司や人事総務や産業医と復職部署や復職日程や保護勤務の設定を検討してその間は図書館等を活用した半日から終日の外出訓練や復職1~2週前から復職場所への朝の通勤訓練を行い、復職後は産業医や人事総務の設定した保護勤務計画(復職支援プログラム:職場で作成できない場合は当院作成)で約1~2週ごとに段階的に勤務負荷を上げていきます。この間のフォローアップ通院は再休職防止対策上必要不可欠です。また休職開始から復職後の通院中において患者さんご本人の許可を得た上での精神科主治医と産業医や人事総務担当者との情報交換や連携体制は復職を成功させて再休職を防止する上で非常に重要な点です。精神科専門医はメンタル不全の診断と治療を行うだけではなく患者さん自身が自主的な向上心を持ちメンタル不全を克服していくことを適宜アドバイスして心身健康な安定した就労状態を目指して総合的にサポートしていく必要があると思います。

2011.6.2
就労者のためのメンタルクリニック
当院は就労者のメンタル不全の診断治療に特化したメンタルクリニックです。就労者の休職判定や復職支援や職場の産業医や人事総務や上司との情報交換が強いのが特徴です。また公務員や教職員の独自の病休、休職、慣らし出勤、復職の仕組みにも対応しております。診断は診断基準のみの簡易診断ではなく元来の性格傾向や生育環境や対人関係や身体疾患等も含めた多岐にわたる鑑別診断を行います。治療は薬物療法と精神療法と生活指導を行いますが、薬物療法はエビデンス(根拠)に基づいた必要最低限の薬物療法を行うのであまり向精神薬は飲みたくないという方には向いています。また精神療法は疾患特性や個人特性に合わせて森田療法や認知療法や行動療法(暴露訓練や弁証法的行動療法も含む)、対人関係療法等の治療のエッセンスを短時間の保険診療内に取り入れながらアドバイスを続けます。休職されたメンタル不全の方や双極性障害の患者さんは休職中の生活指導が治療の要です。休職中の日常生活の仕方や自己リハビリ方法や職場の上司や人事総務や産業医との復職に向けた個人連絡や個人面接にも対応のノウハウがあり、これは復職を成功させて再休職を防ぐには欠かせないものです。当院は復職後の再休職率が低いのが特徴ですが、これは復職までの生活指導や復職後のフォローアップ通院が功を奏しています。ざっと当院の特徴を簡単に書きましたが、ホームページで伝えきれない内容を今回は書かせていただきましたのでどうかメンタルクリニック選びの参考にしていただければと思います。

2011.5.24
6月病
新入生や新入社員が厳しい受験戦争や就職戦争を勝ち抜いて意気揚々と4月に学校に入学したり会社に入社するのですが、約1ヶ月後にその緊張の糸が切れてホッとするような時期に心身の疲労がどっと出て生活全般が無気力で憂鬱な気分になってしまい、一過性の軽症のうつ状態に陥ってしまうことがあります。このような状態を精神科専門用語ではなく俗語ですが「5月病」と言います。自然経過で症状が軽快する場合は問題ないのですが、うつ状態や不安状態や不眠で勉強や勤務が継続して困難になる場合は心療内科での適切な診断や治療の対象になる場合があります。また新入社員において4月に1ヶ月間の新人研修を経て5月に実業務を開始しその業務ストレスや対人ストレスが蓄積した1ヶ月後の6月に心身の不調が現れることをこれも俗語で「6月病」と言います。「5月病」も「6月病」も精神科診断的には「適応障害」であることが多いように思いますが、うつ病や気分変調症等の感情障害の発症やパーソナリティ障害等の元来の人格や性格の問題の反応症状である場合もあるので安易な自己診断は危険です。新入社員だけではなくすでにキャリアのある社員であっても4月や9月は異動や転勤の時期なので、その1~2ヶ月後の5~6月や10~11月は職場の勤務環境変化に伴う業務内容ストレスや対人関係ストレスについていけずにメンタル不全を発症し、うつ状態、不安状態、不眠、身体不定愁訴(頭痛、肩こり、めまい、吐き気、胃痛、下痢、動悸、発汗、息苦しさ等)が出現し、勤務や出勤が困難になり心療内科を受診したり休職せざるを得なくなる場合があります。ストレスを早期に自己察知してうまく日々の気分転換を心がけて十分な睡眠や食事を確保し、もし自己解決が出来ない場合は直属の上司や産業医に相談して問題の解決を早期にはかることでメンタル不全の発症の早期予防に繋がると思います。

2011.5.20
ポジティブシンキング
同じ社会的状況でも同じ対人関係でも「前向き」に考えるのと「後ろ向き」に考えるのとでは日常生活におけるストレスの感じ方や気分の状態には大きな差が出ます。よく持ち出される有名な例えに「コップ半分の水」があります。「もうコップの中には水が半分しかないじゃないか・・・」と考えればネガティブ思考で悲観的かつ後ろ向きで気分が暗くなり無気力にもなりがちですが、「まだコップには半分も水が入っているじゃないか!」と考えればポジティブ思考で楽観的かつ前向きで気分が明るくなり意欲的になりやすいと思います。状況は全く同じなのに人間の考え方ひとつで人間の気分というものは変わるものなのです。このような前向きのポジティブシンキングの考え方を自分自身で体得できれば日常生活内で感じるストレス量が減り気分の憂鬱感や無気力感を感じる程度も減るかもしれません。どんなに自分で努力しても前向きにならないような場合は元来の性格や人格や生育歴やうつ状態の有無を確認し、治療上必要であれば薬物療法の適応になりますが、治療が奏功したとしても薬物療法だけではなく限られた診療時間内であっても精神療法や生活指導を行い、考え方の修正や生活上のアドバイスを適宜行っていくことで患者さんのQOL(生活の質)を高めていくことが出来るのではないかと思っています。

さいたま浦和の心療内科・精神科
メンタルヘルス田井クリニック
診療時間 初診再診共に完全予約制
- 月火木金
- 10:00~13:00
- 月火木金
- 15:00~20:00
- 水土
- 10:00~13:00
- 休診日
-
水曜午後、土曜午後、
日曜・祝祭日
奇数月第二木曜夜間
診療開始の10分前から受け付けます
受付終了は診療時間の30分前です
保険医療機関 自費診療可能
自立支援医療対応
生活保護医療は不対応
医院情報
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〒330-0063
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