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2010年10月 のアーカイブ

平成23年から職場の定期健診に加えて精神的なストレス確認項目が追加される動きがあります。厚生労働省の「職場におけるメンタルヘルス対策検討会」において報告書がまとめられ労政審安全衛生分科会で具体的に審議される方針です。その内容は一般定期健康診断に併せてストレスに関する労働者の症状や不調(不眠、不安、うつ状態、食欲低下等)を産業医が確認し、必要があれば個別に産業医と面接し精神科専門医への受診指導や労働者本人の許可を得た上で事業者に対して職場環境調整を意見する仕組みです。産業医から精神科医療機関に受診を勧められた場合に産業医の紹介あるいは労働者本人が医療機関を探すことになるので今後精神科医療機関の役割は増えていきますが今以上に精神科主治医と産業医との連携協力や情報交換が必要になってきます。それに十分に応えうる産業メンタルヘルスに精通した精神科医療機関が今後全国的に増えていくことを期待しています。

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メンタル不全の発症原因のひとつに職場の業務内容のストレスがあります。たとえば新人社員であれば学生時代の生活スタイルからの著しい環境変化、社会人としてのミスや甘えの許されない正確な業務処理を迅速に要求される労務内容、業務内容に十分に精通していない中での業務課題の増加や業務難易度の上昇等、新人社員の就労上の環境変化や業務内容変化でメンタル不全に陥るケースが現代の若年層では少なくないように思います。また一般社員であっても職場の異動、転勤、出向、昇格、降格、単身赴任、海外赴任、会社の吸収合併に伴う業務内容の大幅な変化、会社の業績不振によるリストラに伴う残留職員に対する業務負担の集中化、メンタル不全で休職した同僚や部下の業務内容も兼務する業務負担、プレイングマネージャーやチームリーダーによく見受けられる自己負担業務に加えた部下の管理業務負担等、例を挙げればきりがありませんが様々な業務内容のストレスでメンタル不全に陥るケースがありこれも冷静に客観的に業務内容や業務負荷を分析し、心療内科で適正診断と適正治療を行うだけでなく職場の人事労務担当者や産業医に自ら相談していくことが重要であると思います。また元来のご本人のストレス耐性や性格傾向も発症に絡んでいた場合もありこの点もきちんと見極めながら主治医と産業医が連携しながら再発防止対策を組んでいく必要があります。

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就労者のメンタル不全になる原因のひとつに職場の対人関係のストレスがあります。対人関係が一方的ですべて自分の型にはめようとする上司からの度重なる叱責行為やパワハラ行為、またマイペースで社会的常識に欠けるあるいは業務処理能力に問題のある部下に対する労務管理ストレス、またその両者を兼ね備えたような中間管理職のストレス、さらに取引先や営業先や出向先における顧客相手や出向先社員からの無理な業務要求等、例を挙げればきりがありませんが、様々な職場環境で様々な対人ストレスが発生しこれが長期遷延化することで徐々に不眠状態や不安状態やうつ状態や体調不良に追い込まれて精神疾患を発症したり休職になるようなケースが少なくないように思います。そもそもの対人問題の発生原因がご本人の性格人格問題や精神疾患に存在する場合もあり、発症原因を客観的に冷静に見極めて精神疾患の診断と治療だけではなく、そもそもの対人関係問題の原因を整理理解し職場の人事労務担当者や産業医に自ら相談していく姿勢が問題解決と再発予防対策上必要であると考えます。

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