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2011年5月20日 のアーカイブ

同じ社会的状況でも同じ対人関係でも「前向き」に考えるのと「後ろ向き」に考えるのとでは日常生活におけるストレスの感じ方や気分の状態には大きな差が出ます。よく持ち出される有名な例えに「コップ半分の水」があります。「もうコップの中には水が半分しかないじゃないか・・・」と考えればネガティブ思考で悲観的かつ後ろ向きで気分が暗くなり無気力にもなりがちですが、「まだコップには半分も水が入っているじゃないか!」と考えればポジティブ思考で楽観的かつ前向きで気分が明るくなり意欲的になりやすいと思います。状況は全く同じなのに人間の考え方ひとつで人間の気分というものは変わるものなのです。このような前向きのポジティブシンキングの考え方を自分自身で体得できれば日常生活内で感じるストレス量が減り気分の憂鬱感や無気力感を感じる程度も減るかもしれません。どんなに自分で努力しても前向きにならないような場合は元来の性格や人格や生育歴やうつ状態の有無を確認し、治療上必要であれば薬物療法の適応になりますが、治療が奏功したとしても薬物療法だけではなく限られた診療時間内であっても精神療法や生活指導を行い、考え方の修正や生活上のアドバイスを適宜行っていくことで患者さんのQOL(生活の質)を高めていくことが出来るのではないかと思っています。

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