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2011年7月 のアーカイブ

厚生労働省の社会保障審議会医療部会において従来までの「がん」「脳卒中」「急性心筋梗塞」「糖尿病」の4疾病に加えて「精神疾患」を今後の都道府県単位の医療計画に盛り込む発表をしました。これにより次期医療法改正において行政機関レベルの「精神疾患に対する医療計画」が策定されるため、地域レベルでの精神疾患に対する医療機能目標が提示されて、精神科医療の機能分化や連携体制や充実発展が期待されます。今後具体的な努力目標が検討協議されていくと思いますが、特に地域におけるうつ病対策が実施された場合、結果的に就労者のうつ病の予防や治療推進や連携体制の確立が進み、就労者のうつ病罹患者や休職者が減少していくのでこの点に期待したいと思います。

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夏本番という暑い気候となり部屋の移動や外出の温度変化で身体疲労が出やすい季節になりました。このような時期に睡眠不足や飲食不足や不規則な生活が続けば次第に精神疲労に繋がり気分の憂鬱感や不安感やイライラ感や身体不定愁訴(頭痛、めまい、耳鳴り、動悸、息苦しさ、胃痛、吐気、下痢、便秘、生理痛等)が出現悪化し精神科的な専門治療を必要とする状態に陥ることがあります。反復性うつ病性障害(反復するうつ病)や双極性障害(躁うつ病)では規則正しい生活リズムを日々厳守し十分な睡眠時間を確保し日常生活や就労場面において過活動を控えていくことで症状の安定化や再燃防止につながるという「生活リズム療法」は精神医学的に精神科専門医の間では広く知られているところです。就労者であれば職場での勤務負担、主婦であれば家事育児負担、大学生や専門学校生であれば勉強やバイトや就活の負担が慢性的にあり、これに夏場の気候負担からの身体疲労が加わるので、この季節は慢性疲労症候群のような状態に陥りやすいと言えるでしょう。発症原因の有無を問わず生活や就労に支障が出るような心身症状が慢性化した場合は精神科専門医療機関での治療を自己検討する必要があるでしょう。

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