2011.6.19
休職から復職までの流れ
就労者がうつ状態や不安状態や不眠や身体不定愁訴で勤務の限界に達しメンタルクリニックを受診し精神科専門医の診断の結果、医学的に休養と治療が必要であると判断された場合、休職診断書が発行されて休職を開始します。休職中は生活が怠惰になりやすく心身の体力も落ちるため、休職中は昼寝を避けて消灯時間と起床時間と食事時間を一定にして規則正しい生活リズムで毎日を過ごす必要があります。定期的な外来通院加療で薬物療法と精神療法と生活指導を継続する必要はありますが、うつ状態や不眠状態が軽減したら徐々に職場の上司や人事総務や産業医と電話やメールや面談で連絡を取り職場環境調整や対人関係調整を行う必要があります。抑うつ気分の回復→生活意欲の回復→思考集中力の回復という順にうつ状態が徐々に緩和されてくるので無理のないペースで読書やパソコンなどの思考集中力の訓練や精神的体力確保の訓練を行いながら毎日の散歩や軽運動で身体的体力の維持増進も併行して行っていきます。復職の焦りや職場への自責感ではなく自分のみで考えて復職意欲が高まってきたら心身体力の回復具合や対人接触疲労の有無を確認しながら復職許可を行い、職場の上司や人事総務や産業医と復職部署や復職日程や保護勤務の設定を検討してその間は図書館等を活用した半日から終日の外出訓練や復職1~2週前から復職場所への朝の通勤訓練を行い、復職後は産業医や人事総務の設定した保護勤務計画(復職支援プログラム:職場で作成できない場合は当院作成)で約1~2週ごとに段階的に勤務負荷を上げていきます。この間のフォローアップ通院は再休職防止対策上必要不可欠です。また休職開始から復職後の通院中において患者さんご本人の許可を得た上での精神科主治医と産業医や人事総務担当者との情報交換や連携体制は復職を成功させて再休職を防止する上で非常に重要な点です。精神科専門医はメンタル不全の診断と治療を行うだけではなく患者さん自身が自主的な向上心を持ちメンタル不全を克服していくことを適宜アドバイスして心身健康な安定した就労状態を目指して総合的にサポートしていく必要があると思います。