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2011年 のアーカイブ

さいたま市や埼玉県に在住し埼玉県内や東京都内に勤務している就労者の方々のメンタル不全の診断・治療・生活就労支援・休職判定・復職支援・復職後の再発予防に従事し3年間が経過し、今までに数多くのメンタル不全の就労者の方々の治療奏功例や復職成功例や再発予防例があり、個々の患者さんの生活や就労に貢献できているだけではなく埼玉県を中心とした地域の産業メンタルヘルスにも貢献できており開設の趣旨に合ったクリニックになっていると思います。今後も就労に関わるメンタル不全(うつ状態、不安状態、不眠、身体不定愁訴等)を中心にパニック障害や社会不安障害や当院で対応可能な範囲の精神科関連疾患の治療に従事していく所存ですので今後ともどうかよろしくお願いいたします。

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厚生労働省の社会保障審議会医療部会において従来までの「がん」「脳卒中」「急性心筋梗塞」「糖尿病」の4疾病に加えて「精神疾患」を今後の都道府県単位の医療計画に盛り込む発表をしました。これにより次期医療法改正において行政機関レベルの「精神疾患に対する医療計画」が策定されるため、地域レベルでの精神疾患に対する医療機能目標が提示されて、精神科医療の機能分化や連携体制や充実発展が期待されます。今後具体的な努力目標が検討協議されていくと思いますが、特に地域におけるうつ病対策が実施された場合、結果的に就労者のうつ病の予防や治療推進や連携体制の確立が進み、就労者のうつ病罹患者や休職者が減少していくのでこの点に期待したいと思います。

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夏本番という暑い気候となり部屋の移動や外出の温度変化で身体疲労が出やすい季節になりました。このような時期に睡眠不足や飲食不足や不規則な生活が続けば次第に精神疲労に繋がり気分の憂鬱感や不安感やイライラ感や身体不定愁訴(頭痛、めまい、耳鳴り、動悸、息苦しさ、胃痛、吐気、下痢、便秘、生理痛等)が出現悪化し精神科的な専門治療を必要とする状態に陥ることがあります。反復性うつ病性障害(反復するうつ病)や双極性障害(躁うつ病)では規則正しい生活リズムを日々厳守し十分な睡眠時間を確保し日常生活や就労場面において過活動を控えていくことで症状の安定化や再燃防止につながるという「生活リズム療法」は精神医学的に精神科専門医の間では広く知られているところです。就労者であれば職場での勤務負担、主婦であれば家事育児負担、大学生や専門学校生であれば勉強やバイトや就活の負担が慢性的にあり、これに夏場の気候負担からの身体疲労が加わるので、この季節は慢性疲労症候群のような状態に陥りやすいと言えるでしょう。発症原因の有無を問わず生活や就労に支障が出るような心身症状が慢性化した場合は精神科専門医療機関での治療を自己検討する必要があるでしょう。

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就労者がうつ状態や不安状態や不眠や身体不定愁訴で勤務の限界に達しメンタルクリニックを受診し精神科専門医の診断の結果、医学的に休養と治療が必要であると判断された場合、休職診断書が発行されて休職を開始します。休職中は生活が怠惰になりやすく心身の体力も落ちるため、休職中は昼寝を避けて消灯時間と起床時間と食事時間を一定にして規則正しい生活リズムで毎日を過ごす必要があります。定期的な外来通院加療で薬物療法と精神療法と生活指導を継続する必要はありますが、うつ状態や不眠状態が軽減したら徐々に職場の上司や人事総務や産業医と電話やメールや面談で連絡を取り職場環境調整や対人関係調整を行う必要があります。抑うつ気分の回復→生活意欲の回復→思考集中力の回復という順にうつ状態が徐々に緩和されてくるので無理のないペースで読書やパソコンなどの思考集中力の訓練や精神的体力確保の訓練を行いながら毎日の散歩や軽運動で身体的体力の維持増進も併行して行っていきます。復職の焦りや職場への自責感ではなく自分のみで考えて復職意欲が高まってきたら心身体力の回復具合や対人接触疲労の有無を確認しながら復職許可を行い、職場の上司や人事総務や産業医と復職部署や復職日程や保護勤務の設定を検討してその間は図書館等を活用した半日から終日の外出訓練や復職1~2週前から復職場所への朝の通勤訓練を行い、復職後は産業医や人事総務の設定した保護勤務計画(復職支援プログラム:職場で作成できない場合は当院作成)で約1~2週ごとに段階的に勤務負荷を上げていきます。この間のフォローアップ通院は再休職防止対策上必要不可欠です。また休職開始から復職後の通院中において患者さんご本人の許可を得た上での精神科主治医と産業医や人事総務担当者との情報交換や連携体制は復職を成功させて再休職を防止する上で非常に重要な点です。精神科専門医はメンタル不全の診断と治療を行うだけではなく患者さん自身が自主的な向上心を持ちメンタル不全を克服していくことを適宜アドバイスして心身健康な安定した就労状態を目指して総合的にサポートしていく必要があると思います。

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当院は就労者のメンタル不全の診断治療に特化したメンタルクリニックです。就労者の休職判定や復職支援や職場の産業医や人事総務や上司との情報交換が強いのが特徴です。また公務員や教職員の独自の病休、休職、慣らし出勤、復職の仕組みにも対応しております。診断は診断基準のみの簡易診断ではなく元来の性格傾向や生育環境や対人関係や身体疾患等も含めた多岐にわたる鑑別診断を行います。治療は薬物療法と精神療法と生活指導を行いますが、薬物療法はエビデンス(根拠)に基づいた必要最低限の薬物療法を行うのであまり向精神薬は飲みたくないという方には向いています。また精神療法は疾患特性や個人特性に合わせて森田療法や認知療法や行動療法(暴露訓練や弁証法的行動療法も含む)、対人関係療法等の治療のエッセンスを短時間の保険診療内に取り入れながらアドバイスを続けます。休職されたメンタル不全の方や双極性障害の患者さんは休職中の生活指導が治療の要です。休職中の日常生活の仕方や自己リハビリ方法や職場の上司や人事総務や産業医との復職に向けた個人連絡や個人面接にも対応のノウハウがあり、これは復職を成功させて再休職を防ぐには欠かせないものです。当院は復職後の再休職率が低いのが特徴ですが、これは復職までの生活指導や復職後のフォローアップ通院が功を奏しています。ざっと当院の特徴を簡単に書きましたが、ホームページで伝えきれない内容を今回は書かせていただきましたのでどうかメンタルクリニック選びの参考にしていただければと思います。

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2011.5.24

6月病

新入生や新入社員が厳しい受験戦争や就職戦争を勝ち抜いて意気揚々と4月に学校に入学したり会社に入社するのですが、約1ヶ月後にその緊張の糸が切れてホッとするような時期に心身の疲労がどっと出て生活全般が無気力で憂鬱な気分になってしまい、一過性の軽症のうつ状態に陥ってしまうことがあります。このような状態を精神科専門用語ではなく俗語ですが「5月病」と言います。自然経過で症状が軽快する場合は問題ないのですが、うつ状態や不安状態や不眠で勉強や勤務が継続して困難になる場合は心療内科での適切な診断や治療の対象になる場合があります。また新入社員において4月に1ヶ月間の新人研修を経て5月に実業務を開始しその業務ストレスや対人ストレスが蓄積した1ヶ月後の6月に心身の不調が現れることをこれも俗語で「6月病」と言います。「5月病」も「6月病」も精神科診断的には「適応障害」であることが多いように思いますが、うつ病や気分変調症等の感情障害の発症やパーソナリティ障害等の元来の人格や性格の問題の反応症状である場合もあるので安易な自己診断は危険です。新入社員だけではなくすでにキャリアのある社員であっても4月や9月は異動や転勤の時期なので、その1~2ヶ月後の5~6月や10~11月は職場の勤務環境変化に伴う業務内容ストレスや対人関係ストレスについていけずにメンタル不全を発症し、うつ状態、不安状態、不眠、身体不定愁訴(頭痛、肩こり、めまい、吐き気、胃痛、下痢、動悸、発汗、息苦しさ等)が出現し、勤務や出勤が困難になり心療内科を受診したり休職せざるを得なくなる場合があります。ストレスを早期に自己察知してうまく日々の気分転換を心がけて十分な睡眠や食事を確保し、もし自己解決が出来ない場合は直属の上司や産業医に相談して問題の解決を早期にはかることでメンタル不全の発症の早期予防に繋がると思います。



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同じ社会的状況でも同じ対人関係でも「前向き」に考えるのと「後ろ向き」に考えるのとでは日常生活におけるストレスの感じ方や気分の状態には大きな差が出ます。よく持ち出される有名な例えに「コップ半分の水」があります。「もうコップの中には水が半分しかないじゃないか・・・」と考えればネガティブ思考で悲観的かつ後ろ向きで気分が暗くなり無気力にもなりがちですが、「まだコップには半分も水が入っているじゃないか!」と考えればポジティブ思考で楽観的かつ前向きで気分が明るくなり意欲的になりやすいと思います。状況は全く同じなのに人間の考え方ひとつで人間の気分というものは変わるものなのです。このような前向きのポジティブシンキングの考え方を自分自身で体得できれば日常生活内で感じるストレス量が減り気分の憂鬱感や無気力感を感じる程度も減るかもしれません。どんなに自分で努力しても前向きにならないような場合は元来の性格や人格や生育歴やうつ状態の有無を確認し、治療上必要であれば薬物療法の適応になりますが、治療が奏功したとしても薬物療法だけではなく限られた診療時間内であっても精神療法や生活指導を行い、考え方の修正や生活上のアドバイスを適宜行っていくことで患者さんのQOL(生活の質)を高めていくことが出来るのではないかと思っています。

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職場内での発言や行動、または職場内での対人関係がうまくいかずに就労困難に陥る精神科疾患の中に「広汎性発達障害」があります。不注意・衝動性・多動性を主症状とした「注意欠陥多動性障害(ADHD)」、知的発達の遅れはないが、聞く・話す・読む・書く・計算する等の特定の能力の習得と使用に困難を示す「学習障害(LD)」は子供の頃から症状を抱えていて学童期に発見されやすい病気です。しかし当初は言葉の発達に遅れがあるもののやがて言語能力が発達して知的障害を伴わなくなった「高機能自閉症(自閉症の2割)」、言葉の発達に遅れがなく知的障害もなく社会性の欠如、コミュニケーション能力の欠如、興味の偏りを主症状とした「アスペルガー症候群」、またアスペルガー症候群と同様の特徴を持ち診断基準を満たさない「典型的ではない広汎性発達障害(PDD-NOS)」は子供の頃は自分では違和感を感じつつも発見されず成人してから社会生活や就労に問題を抱えてはじめて発見されることがあります。この中で「アスペルガー症候群」を例に挙げると3つの大きな特徴があります。<①社会性の欠如(集団の場の空気や相手の感情を読むのが苦手、会話はひとりで一方的にしゃべりがち、ひとりを好み他人への関心が低い、相手の表情や態度や行動への対応法がわからない)②コミュニケーションの障害(文言通りに言葉を受け取りたとえ話や冗談や皮肉はわからない、感情表現が苦手で流れに無関係な発言をする)③反復行動と狭い興味(同じ行動を反復しやすい、同じ状況を好み突然の変化でパニックになりやすい、特定のものに執着し全体が把握できない、同時進行が苦手)>このような症状で悩んでいる場合は地域の政令市や県の発達障害者支援センターに相談するのが一般的ですが、広汎性発達障害の「診断」を行ったり、「2次障害(うつ状態、不安状態、不眠等)の治療」を行ったり、「各種診断書の作成(精神障害者保健福祉手帳や自立支援医療意見書)」を行うのは、成人の広汎性発達障害に精通した精神科医療機関の仕事です。医療機関にうつや不安や不眠を主訴に受診し診察を受けた結果、広汎性発達障害が見つかる場合もあります。このように精神科や心療内科の鑑別診断において広汎性発達障害を見逃さないことは今後の治療や援助の方針決定において非常に重要であると言えるでしょう。

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慢性的に業務多忙で帰宅時間が遅くなり慢性的に寝不足となってしまい、心身の疲労感が日々蓄積して就寝しても週末を過ぎても疲れが抜けない状態になることがあります。具体的な症状は全身がだるい、首や肩や腰のこりや痛み、頭痛やめまい、胃もたれや下痢や便秘、気分の落ち込みや無気力感、不安感や動悸や息苦しさ、ソワソワ感やイライラ感、不眠などの症状です。実際に具体的な職場内のストレスがなくても慢性疲労蓄積でこのような状態に陥ることがあり、すべての方ではありませんが生活習慣の改善で症状が軽減できるケースもあります。まず十分な睡眠時間を確保することです。365日の心身疲労の蓄積を回避するには最低1日6時間は十分な睡眠時間を確保したいところです。安定剤や睡眠薬を飲むときはアルコール摂取は禁忌ですが、一般の方が飲酒で睡眠を確保している場合に慢性的に眠りが浅くなったり夜中に何度も起きてしまうような状態はアルコール自体の眠りを浅くする作用が出ている場合やすでにうつ状態に陥っている場合があり、この場合の飲酒頼みの睡眠確保は好ましくありません。また学生時代から朝食を摂らない習慣の方がいると思いますが、就労者は学生と違い日々強い心身ストレスを受けて生活をかけて勤務を継続しているため、朝の血糖値低下から思考力や集中力の低下に繋がり、業務効率の低下や業務ミスも起こりやすく、これを契機に心身疲労が蓄積しメンタル不全に陥る場合もあります。また不規則な時間の食事は胃腸障害の原因となる場合もあり、1日3食毎日決まった時間にきちんと食事を摂ることが重要です。さらに帰宅後や週末の自分の時間を短時間でも毎日確保することも自己ストレス発散に繋がり大事なことです。最低限の内容でしたが以上の点に留意しながら規則正しい生活リズムを確保することで慢性的な心身疲労蓄積を減らしてひとりでも多くのメンタル不全の発生防止に繋がればと思います。

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「アサーティブネス」とは「自己主張すること」です。これは対人関係においてストレスをためないようにするコミュニケーション技術です。自己主張と言っても相手に自分の意見をごり押しすることではありません。「誠実」「率直」「対等」「自己責任」の4つの軸をふまえて相手との関係を冷静に客観的にとらえて相手の言動を誤解しない、自分の考えや意見をその場できちんと相手に伝えることです。うつ病になりやすい病前性格のひとつに「メランコリー親和型性格」というものがあります。真面目で几帳面で責任感が強く自分よりも他人を優先して気を遣い無理な業務を振られても「無理です」とか「出来ません」と相手に言うことが出来ずに引き受けて後から悩むような性格です。このような場合、もしその場できちんと無理なものは無理と断ることが出来たらどうでしょうか?その場においては確かにバツが悪くて相手から文句を言われるかもしれません。しかし長期的なビジョンで考えれば自己限界をきちんと相手に伝えることで自分自身の心身の健康状態を維持しメンタル不全に陥ることを予防できるのです。このように自分も相手も尊重しながらお互いに謙虚な姿勢でお互いの言動を誤解されないようにきちんと礼節を持ちながら自己主張していくことは日常生活や職場における対人コミュニケーションのストレス予防において非常に重要なことであると思います。

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